マグネットホルダーの製造プログラムが決まったのでで展示会で参考出品してみた。
1箇所目の展示会では7~8人に説明できたが、スキニーライトを持っている人は全て購入したいという人ばかりだった11個納期未定で注文が頂けた。2箇所目の展示会では6人に説明できた、中に1人だけ、このライト使ってるけど、配線の隙間に入れて固定したりすれば不自由なく使えているという人が居ただけで他の人は発売されたら購入したいという結果である。 もっとも、新しくスキニーライトを購入する場では、オプションとして購入しなければならないので同時購入となると価格的に他のマグネット付製品を選択される方も居るはずである。
SLB12・SLB12Nもお客様によっては、只のLEDライトであり、マグネットホルダーも只の磁石に過ぎない。磁石はライトを置くときに使用する程度にしか考えておらず固定して自由な方向に照射して常に両手を作業の為に使える事がどれだけ作業性に関わるのか、使って初めて理解してもらえると思う。その証拠に、展示会でポツンとマグネットホルダーにスキニーライトを固定して展示しておいても質問した人は皆無だった。引き止めて説明して初めて利便性を理解して貰えた訳だ。余程パンチのあるキャッチコピーが必要と感じた。
私のネット上の調査では、自由雲台若しくは同様の機構を備えたライトの方向を変える事が出来る物は多数探し出す事は有ったが、ライトを裏返しにしてホールド出来るホルダーはどこにも見当たらず、ほとんどがライトに固定されている。開発メンバーはライトの裏側にネジ穴を作ってそこにマグネット又は自由雲台をカメラの様にねじ込む提案をしてきた。設計開発メンバーに裏返しにしても取り付けられるようにする事で利便性が飛躍的に高まる事を説明するのにマレーシアに行ってまで、言葉を荒げて色々な使用状況を説明してわかって貰えた次第である。それならネジ山を裏表に付けようという発想までは簡単だった。しかし、ネジ山が取り付けられる位置はライトの端の方に限られる。重心の有る照明部にネジ山は難しい。何故端の方ではダメなのか分かってくれない。確かに強力な磁石だが、吸着面がまっ平なら問題はないが、曲面や凹凸面では吸着力が落ち、水平に固定してもライトは磁石を中心にして先端が垂れ下がってしまう。水平に保持したい時出来なくなる事が私には気に入らないのだ。重心付近を固定できるようにしたい。出来なきゃ先端を何かで支えろという。そんなことは分かりきっているが、製品を開発するならより良い物にしたいという欲は捨てられない。裏向きクリップの方法もそうである。
言葉の障壁も有ってこのような意見の相違はザラだが、この製品の場合、現場を知らないと説明出来ない。裏表クリップが必要な事を開発メンバーが納得したのは、車体の下面に吸着させて上方を照射出来ない説明をした時だった。磁石を床面下に付けて上方向を照らす。下回りの作業で欲しい機能である。
ドアーロックのメンテナンスでは、ライト背面に有る磁石をドアーの内側に付けても自分の顔を照らすだけでドアーロックの有る方向は照らせられない。吸着面と直角方向に向かないとそれが出来ないのである。展示会の度に磁石、磁石と言われ続けてこのアイディアは持っていたが自由雲台まで作ると高くて買って貰えそうな価格で出来ない事もあって諦めかけていたが、、開発メンバーが試作したした1/4インチネジが付いたマグネットが手元に有った事と、中国の自由雲台のメーカーと直接購入が出来るようになった事でようやく日の目を見る事になった次第である。自由雲台はカメラの三脚に取りつける為、世界標準の1/4インチのネジ山になっていた事も幸いした。私はペンタックスのカメラの三脚取り付けネジがすぐに壊れた事あり、1/4インチのネジ山は精度が低く精度の高い6ミリネジを使いたいと言ってきたが、彼らは部品の入手を考えるとこのサイズだと1/4インチは絶対有利だと譲らなかった。結果は彼らの言う通りだった。
開発メンバーの提案した背面ネジ山は拒否する事無く受入れ、自由雲台の磁石を外してライト背面にも取り付けられるように残す事にした。彼らにとってもネジ山を取りつける事のメリットや製造上の課題を何度もディスカッションしてサンプルまで試作して私に提案してくれたわけだから大いに感謝する事はあれ、無にする事は無い。
前回のブログでこのマグネットホルダーを紹介しておいたら数日後に、お客様から発売時期問い合わせの電話が掛かってきた。スキニーライトは気になっていたが、マグネットホルダーが標準で付いているLEDライトを購入した。という人だった。いくらか安いので購入したが重量バランスが悪いので使いづらく、再度スキニーライトに食指が動いていたという。時々私のブログを読んでくれているようで前回の記事を読み、このマグネットホルダーを使いたいのでスキニーライトを購入したが、ホルダーの発売時期はいつになるかという問い合わせである。ライトはネットで購入したが、しょっちゅう在庫切れになっている事を知っているので手に入る時に購入したとの事。たった一人の問い合わせだが苦労が報われた気がした嬉しい電話だった。