狭い場所でもすいすい入り込み、明るく照らす「スキニーライト」

SLB12分解

ライト裏側のネジを外す

ストラップ取付け用のナットは取り外し済み

下の画像下方向からの赤い線が0番ドライバーで外すビス上下(12本)

画像上方向の赤い線の指すネジは1番ドライバー使用(3本)ステンレスなので磁石には着かない

ネジ位置以上15本のネジを外すと上下に割る事が出来る。グリップエンドに指を掛けて開く

開く内部の接続用コネクター。3本の電線をコネクターに均一に力が掛かるようにして電線を持って引き抜く

コネクター水-1どうやら水没させている。内部に水滴が残っている。

SLB12はエンジンルーム上部で使用している時、落とすと床まで隙間を通って落ちてしまうのでラジエターの冷却水を抜きながら平行作業する時は気を付けるよう口を酸っぱくして説明するのだが、落とすのは使用者が誤って落とすのだから、落としても大丈夫なように床面には水やオイルが入った缶などは置かない事だ。

さて、LEDが装着されている基板は次の写真。

赤、黒の電線の左側が主に点灯に関わる制御機構。電流制御ICが装着され、LO、HIの切り替えも同じICが役割を持っている。

電線右側は主に充電制御。バッテリーに取り付けている温度センサーや2個の電池の電圧バランスなども見張っていて、電池電圧が低すぎた場合リチウム電池は極端に寿命が短くなるのでおよそ3.3Vで放電を停止する機能も有る。低電圧、高電圧、高温、電池のバランスなどおよそバッテリーの状況は常に監視されている。

LED基板表バッテリーの電圧を測ると・・ほぼ0V。原因は、バッテリー側に付いている基板の錆によるショートだが、今までバッテリー基板が錆でショートしてバッテリーが発熱したという報告は1度も無い。相当時間を掛けて放電するらしく、水没させたライトの2割程度はバッテリー電圧が下がりすぎていて微小な電流で24時間掛けて充電した事が有るが、充電中にバッテリーが膨らんできて危険な状態になるので途中で充電を止めなければならない。

分解したSLB12も基板が錆びてショート、電圧も0Vだった。尚、写真は分解してすぐに見られる側では無く、基板を固定している2本のビスを外し、ハンダを外して裏返しにするとこの写真の面を見る事が出来る。

Tという訳で、水没したSLB12は必ずバッテリーに付いているこの基板を取り外して状態を確認しないと、分解清掃だけでは完了しない。

水没して早い時期に分解してエアブローなどして乾燥させれば錆の発生は防ぐ事が出来るかもしれないが、エアブローしてもその後数時間は天日などで乾燥させないと内部に水分が残る。

組立時の注意 裏側の押しボタンがLED基板のスイッチを押すので電線を左右に分けてピンの間に挟み込んでおく。

バッテリー基板後は、分解の逆の手順で組み立てる。

分解しないで水没を見分けられる事が有る。

LEDをレンズ越しに見ると黒ずんでいる物が有ると、確実に水没している。理由は、LED基板とバッテリーの間に入った水が基板のスルーホールを伝ってLEDに染み込むのが原因。スルーホールは基板作成後塗装されるので塗料で埋まってしまう物も有り、水が入っても全ての個体でLEDが変色する訳では無い。

水没させた直後は問題無く充電、点灯出来る。というケースが厄介で、次第に錆が基板を蝕んでいき、不具合が発生した時は基板が錆びて使い物にならないが、必死の努力で錆を落とし乾燥させてみると再使用可能になる。・・・およそ水没の8割は直している。

SLB12は集積化された基板なので、基板の裏表に電線の代わりとなるパターンが有り、裏表を繋ぐのがスルーホールで、プラスチックの基板に穴を開け、穴の周囲に銅コーティングをしている。その穴に水が入ってコーティングが錆びてしまうと(緑青が吹く)修理が出来ないケースが有る。固定している半導体下にも裏表にパターンが有り、これらを結ぶスルーホールが錆びると手が付けられなくなる。

通常スルーホールの修理は行わない。

水に気を付ける・・・・これだけで長く使って貰えるのだが・・・

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